土よりいずる黄金のハチ | 種はゴミじゃない|キッチンから始めるリサイクル菜園

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土よりいずる黄金のハチ

ぬおぐあああふげぐっ!

奇声と共に、プランターの土いじりをしていた旦那がのけぞった。

土いじりの最中に声をあげる出来事といえば、虫。
菜園をはじめてから、土の中には害虫が潜んでいることを知った。
コガネムシの幼虫とかヨトウムシとかネキリムシとか、主としてプニプニウニョウニョと気持ち悪いヤツだ。

今度は何だーと思いつつ、菜園もなんだかんだで4年目になった今、
少々のプニプニウニョニョごときで叫び声を上げたりはしないことに気づく。 

あらためて旦那に聞いてみると、
「土の中からハチが出てきた!」と言うではないか。

急いでプランターを覗いてみると、そこには確かにハチが居た。
死にかけたミツバチが、息も絶え絶えに横たわっているのかと思いきや、スズメバチサイズのでかいヤツだ。
そらびっくりするわ。

冬眠してたんだろうか?動きがのろくて、若干寝ぼけているようにも見える。
それとも土の中で羽化した?
てか、そんなハチ居るの?

土の中からハチが出てきた!

土の中からハチが出てきた!


とりあえず写真を撮っておく。
正体不明のハチだし、寝ぼけていると見せかけて、近づいたところ一撃かまされるのも嫌だし、なんとなく二人で遠巻きに眺めていたら、ハチは普通に飛び去った。

夜、「土の中 ハチ」で検索してみた。
出てきた福光村・昆虫記さんのハチのページの中に、あのハチが居た!
全身が金色の毛に覆われた大きな蜂、キンケハラナガツチバチ(ツチバチ科)。
「金毛腹長土蜂」かな、そのままだな。

デジタル昆虫図鑑さんのハラナガツチバチの仲間には4種類のハラナガツチバチの写真が掲載されている。オオハラナガツチバチにも似てるけど、腹の特徴から金毛だと思う。)

説明には「コガネムシの幼虫を捕らえて本種幼虫の餌とします」とある。
あのハチは、憎きコガネの幼虫を捕食する益虫だったんだ!

ツチバチは、コガネムシの幼虫に寄生する寄生蜂だそうだ。
メスが土に潜って幼虫に産卵、ハチの幼虫は、コガネムシを食らいながら成長する。
昼間見たのは、本当に羽化直後のハチだったのかもしれない。

感無量だ。
無農薬故に数々の害虫に悩まされて来たけど、目下のところ、一番困っているのがコガネムシだった。
夏になると、どこからともなくぶんぶん飛んできて、あっちゃこっちゃで愛し合い、思いを遂げると死んでいく。
あぁ、美しい生命の神秘…!

でもなんでうちでやる。

力尽きた成虫の死骸は私が片付けなきゃならんし、愛の結晶の子ども達は大変に大食らいで遠慮と言うものが無い。
今までどれだけの植物がやられたことだろう。
幼虫どもは土に潜って植物の根を食べる。だから見ただけじゃわからない。
なんか葉色が悪いなと思って、何気なく引っ張ってみたら、プランター表面の土が雑草共々、カーペットをめくるようにぺらっと剥がれてしまったこともある。

そしてコガネムシは悪食だ。
好きな植物だけをピンポイントで狙う虫が多い中、ヤツらはほぼ何でも食べる。
野菜、果樹はもちろん、匂いの強いハーブや、雰囲気的に不味そうなアサガオなんかも食い散らかしてしまう。

多分、天敵の鳥が居ないからなんだろう。
うちの屋上菜園は、いたずらカラスや蒔いた種をついばむスズメを防ぐ為に防鳥ネットをしてある。
だからコガネムシは、生物ピラミッドの頂点近くにいたはずだ。
鳥をブロックする以上、ここがコガネムシの天下になるのは避けられないことだと思ってた。
それが!土の中まで潜って、幼虫ハンティングする蜂が居るなんて!

私達夫婦は、そのハチの存在に安堵した。
たかが一匹、されど一匹。

コガネムシに対抗するハチの存在を知ることは、
「新たな昆虫との出会い」だけじゃなく、「新たな生き物同士の繋がりを見つける」ことでもある。
それは、複雑に絡み合った食物連鎖のくさりの一片だ。

そんな大自然のヒトコマ、小さな営みの一つが、我が家の屋上菜園にあらわれる。
これは植物を育てる喜びや、収穫の喜びとはまた一味違った、菜園の楽しみ方だと思う。

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